ご無沙汰してます、大河です。
ブログを1ヶ月放置してる間に友人が同人誌出したりしてたらしいですが、私は変わらず元気でおります。
今日から何日か連続で、貯めていた読書感想文を投下する予定です。
しばしお付き合い下さい。





さて今回は、実に1年(くらい)ぶり、ダンジョン飯の最新巻でございます。

とりあえず面白いか面白くないかで言えば、
「相も変わらず面白い。」
の一言。
前巻のラストらへんで水場に入りましたので、今巻では水っぽい魔物(クラーケンとかウンディーネとか)と戦うのがメインとなっています。では食事はどうなっているかといいますと、正直、最初の頃にあった「うわっこの魔物からこの飯ができるのか」的な感想は出ないと思います。
なんたって、他の冒険者が落とした麦を使ったりしてるからな。
それ(倫理的にも漫画的にも)どうなのよ。

では何が面白いのかと言いますと、そもそも漫画として、ということになります。

ダンジョン飯1巻が爆発的に売れたのは、昔RPGをプレイしていたような世代の方々に「実際魔物って食ったらどうなんの?」という答えを描いた、このアイディアとインパクトが評価されたからだと思うわけです。しかし、魔物を食う、というアイディアで買わせることができるのは1巻のみで、では2巻はどうしたかと言うと、ダンジョンの生態系を活かす、という新しい面を見せることで購入に至らせたわけです。

そして3巻。今回の売りは、物語です。
ついに物語の面白さ、という部分を出してきたわけです。

ストーリーに絡めた細々とした笑いどころ、豊かな表情で語られるキャラクターたちの心、物事に対する考え方や扱いの違い、衝撃はなくとも読んでいて素直に面白いと思える内容が売りです。というか、小説とか漫画とかって本来はそういった情報や状況や展開を楽しむものなんですけれども。
要するに、今までは「うわっ魔物食うなんて発想やべえ面白そう」だけで買わせてた奴らに、「九井諒子の漫画は面白いんだなぁ……」と言わせるための3巻なわけですよ。ようやく。

そうなんですよ。
九井諒子先生の漫画は面白いんですよ。

1話1話に破壊力があるわけではない。けれど、なんとなく同意できてしまったり、ちょっぴり本当にありそうだと思ってしまえたり、にやりとしてしまうような物語が合間を置かずに連続して流れてくる。
そういった雰囲気を楽しめる、九井諒子先生の作品らしさに溢れる3巻でございました。


というわけなので、ダンジョン飯を楽しめる方は是非「ひきだしにテラリウム」他数点の短編集も是非買うといいと思います。
きっと同じように楽しめるはずです。



大河でした。
明日も記事が投下される予定です。

ひきだしにテラリウム
九井諒子
イースト・プレス
2013-03-16




竜の学校は山の上
九井諒子
イースト・プレス
2013-06-28